今年度アメフクラガエル入荷(このバーから購入サイトに行けます)

【アメフクラガエルの飼い方】初心者でも簡単な飼育方法を教えます




目次

フクラガエル入荷情報

今年もアメフクラガエルが入荷しましたね。

今年はちょっと高くて2万円以上が相場のようです。

大手ペットショップ・チャームさんの通販では早速売り切れでした。

こちら⬇️の楽天市場のサイトでもすぐに売り切れると思いますので飼いたい人は即購入をお勧めします。そのほうがカエルのコンディションがいい可能性も高いです😆

(なお、このお店と僕は関係ありません。念のため)

————- 以下が記事本文です ————

アメフクラガエル、かわいいですよね。。

飼ってみたいけど、難しくないかな?

飼ってもすぐ死んじゃった。ネットにはいろいろ情報があるけど、どれが正しいのかわからない・・・

なんてお悩みではないですか?

こんにちは。ふくら博士(自称)です。

ふくら博士

僕も初めはうまく飼えなくて悩みました。
でも、簡単で長生きする飼い方を開発しました

この記事では、『初心者でも簡単』で『上級者でも目から鱗』の、アメフクラガエル長期飼育方法を紹介します。

この決定版ともいえる飼い方は、私が原型を作りふくらキング氏によって完成されたものです。

ふくらキング氏

俺が作った!

この飼育法が適切といえる根拠は以下の通りです。

  • 8年の長期飼育の実績がある(20頭)
  • 実際に生息地で得たきた情報に基づいている
  • この方法で飼っていると抱接する(後ほど説明します)

カエル自体のお値段と買い方は【アメフクラガエルの値段と購入方法】をご覧ください。

この記事は飼い方をとても細かく説明しています。

読んでる時間のない方はこちらをご覧ください。

アメフクラガエルの飼育難易度と飼い方の要点

飼育難易度

はじめに、アメフクラガエルの飼育の難しさです。

僕は20種類以上のカエルを飼育した経験がありますが、その中でもアメフクラガエルは(今となっては)飼育が容易です。

でも、ほぼ全てのカエルでも同じですが、活きた餌(アメフクラガエルなら小さめのコオロギ)がいつも準備できることが必要です

僕の主観で、飼育の難しさを他のカエルと比べます。

ニホンヒキガエル
ベルツノガエル
ニホンアマガエル
アメフクラガエル
ダルマガエル(ナゴヤ)
アカメアマガエル
マダラヤドクガエル
キノボリアデガエル
ケガエル
パワーフクラガエル









星が多いほど難しい

異論はみとめますw

アメフクラガエルは乾燥地帯に生息する地中性のカエルで、似たような環境に住むカエルが輸入されていないことから、プロの間でも飼い方は確立していないといっていいでしょう。

でもコツを知れば飼育は難しくないです。

飼い方のまとめ

詳しい説明の前に、飼い方の要点をまとめます。

  • 飼育密度は土 5 L につき1頭
  • 土は黒土のみでいい
  • 湿らせすぎ厳禁
  • 土の深さは10-15cm
  • 1週間に一度スポンジで給水
  • エサはコオロギだけでいい
  • 温度は20℃がおすすめ(Max 25℃。暑すぎ厳禁)
ふくらキング氏

この方法で8年飼育できてます(記録更新中)

この飼育方法で同じケースでオスとメスを飼育するとときどき抱接(産卵前にオスがメスに抱きつくこと)をします

抱接は産卵の一歩手前です。

このように繁殖行動がみられることは、飼育環境がカエルにとって快適であることを示しています。

特に繁殖を目指している方にはネット上にあるどんな情報と比べても、ここで紹介するが飼育法が参考になると思います。

ふくら博士

なお、フクラガエルは糊で接着して抱接します(⬇️)

アメフクラガエルの抱接

では、より具体的な飼育方法を説明していきます。

アメフクラガエルの飼い方【その1・ケースと飼育頭数】

まずは飼育容器(ケース)です。カエルにとっては大きければ大きいほどいいでしょう。

でも、このブログでは、35 x 20 x 25(幅・奥行・高さ)cm3 ぐらいをおすすめします。

ふくらキング氏

大きめのプラケースでOK。30cmキューブ水槽や45cm水槽もアリですが、大きすぎてカエルを探すのが大変です。

繁殖ねらいなら 45-60 cm 水槽がいいです。

➡️(準備中)【おすすめの飼育用品と維持コスト】

理由は・・・

  • 土の深さが10-15cmは欲しい
  • ケースが大きすぎると土を換えるのが大変
  • 週一でカエルを掘りだしますが、容器が大きすぎると探すのが大変
  • このぐらいの容器で長期飼育できている

おすすめの飼育容器で土を15cmの厚さにすると土の量はおよそ10 L になります。

この場合で、2頭飼育が基本です。4頭でも飼えますが推奨はしません。

ふくら博士

つまり土・5 Lに対して1頭ですね。
なるべく少ない頭数で飼いましょう

少ない頭数がいい理由は、

  • 密度が高いとどんな生物でもストレスだから
  • 餌の争いで負ける個体がでてくるから
  • 土の汚れが早くなるから

また脱走防止に、ケースはしっかりふたが閉まるものを選んでください。

こんな体で壁は登らないだろう、と思っているととたちまち脱走されます。

フクラガエルは普段は土の中にいて見えないので脱走に気がつくのが遅れがちです。くれぐれも注意してください。

また、後で説明しますがアメフクラガエルは高い湿度が苦手です。

なのでケース内が蒸れないように、ふた(蓋)は空気がよく循環するものを選んでください。

プラスチックの飼育ケースの蓋なら大丈夫です。

水槽なら、ガラス蓋や上部全体を覆うプラスチック蓋などは避けてください。ちょっとお高いですがメッシュの蓋をおすすめします。

➡️(準備中)【おすすめの飼育用品と維持コスト】

アメフクラガエルの飼い方【その2・床材(土)】

フクラガエルは地中性のカエルで、土の中からほとんど出てきません。飼育下でも同じであまりに出てこないので、「フクラガエルを飼うことは土を飼っているようなものだ」とよく言われます。

でも、あくまで生きたカエルを飼っているんです。カエルが好きな環境を用意することが大切です。

土の選定と土の硬さ

土選び

土はとっても大事です。

熱帯魚や、海水魚飼育の水を想像していただければいいと思います。

ふくらキング氏

弱アルカリの硬水で南米カラシンを飼育したり、アフリカンシクリッドを弱酸性の軟水で飼ったら?と想像してみてね

正解をいいます。

市販品であれば黒土」一択です。他の床材を混ぜる必要はありません

なぜそう言いきれるのか?まず、長期飼育の実績があること。

もう一つは、

ふくら博士

実際にアメフクラガエルの繁殖地の土を見てきたからです(⬇️)

生息地で発見されたアメフクラガエルの巣と卵

これはアメフクラガエルの産卵巣の写真です。

ご覧の通り、巣の周りは「粒子が細かい黒土に近い土」です。

生きた植物の根は張っていますが、腐葉土のように落ち葉などは混じっていません。

さらに、ふかふかではなく、そこそこ硬い土です。

土は、表面は乾いており下の方に行くほど湿っていますが、下の方でもすごく湿っているというわけではありません。日本で日影の土を少し掘ったぐらいの湿り具合です。

ふくらキング氏

水を撒いたみたいな湿り具合じゃないね

この写真は雨季に入ってしばらく経ってから撮影したもので、これ以外の季節の土はもっと乾いていると思われます。

また、巣は25cmぐらいの深さにありました。

これら観察からアメフクラガエルの飼育にフィードバックできることは、以下の通りです。

  1. 土質・粒子・硬さから、市販品なら「黒土」一択
  2. 土には適度な硬さが必要
  3. 土は湿らせすぎてはいけない
  4. 土はなるべく深い方がいい

1については説明したので、次に(2-4)を説明します

土の硬さ

アメフクラガエルは、産卵巣だけだなく土の中で休んでいる時に、周囲の土を固めて小さな巣(のようなもの)を作ります。

この巣は柔らかすぎる土ではつくりにくいようで、柔らかすぎる土はカエルにとってストレスになるようです。

このため、土には手で握ったとき固まる程度の硬さが必要です。(湿度も重要です。後ほど説明します)

ふくら博士

黒土を上から軽く押したぐらいの硬さがいいです。強くぎゅっと押す必要はありません

動画や他のサイトの説明では、ピートモスを入れて柔らかくしたり、柔らかいパームマットを使うように解説している例があります。

こういうやり方は考えすぎで『かえってよくない』です。

パームマットは飼育し始めた頃に使ったことがありますが、そのときは短期間で亡くなってしまいました。

アメフクラガエルには使うべきではないと思います。

死んだ理由ははっきりとは言えませんが、生息地の土と違い柔らかすぎてストレスだった、パームマットに含まれている枝などが引っかかりストレスだった、枝で傷がついた、などが考えられます。

腐葉土は試していませんが、外国のカエルに使うには不衛生だと思います。さらに発酵で熱が出るので温度コントロールが難しくなるというデメリットもあります。(後で説明しますがフクラガエルは低温の方が好きです)

ピートモスは床材が柔らかくなりすぎるほか、酸性(pH4程度)にかたよりすぎることがあるので絶対に推奨しません。

なお、生息地の土壌のpHは6程度でした。

アメフクラガエル生息地の土壌 pH

赤玉土は、硬すぎ+粒子が大きすぎる+保水しなさすぎるので、よくないでしょう。

唯一、黒土以外でいけそうな市販品は赤土です。pH、水捌け、粒子(黒土よりも粘土質だけど)などが黒土に近く、フクラガエルの生活場所は赤土のところも多かったからです。

ふくら博士

でも長期飼育できている黒土以外を使う理由がありません

黒土をふるいで濾して、“玉(だま)”を除いて細かい土のみを使われている方がいらっしゃいます。これは正しいやり方だと思います。

ただ、最初から玉が少ない黒土を買えば、この作業はいりません。

ふくらキング氏

おすすめの黒土は…別記事で!

(準備中)➡️【おすすめの飼育用品と維持コスト】

土の深さ

結論を言うと、土の深さは10〜15cmあれば大丈夫です。

ネットを検索すると、アメフクラガエルの土に潜る深さが根拠を示さずに書かれていてサイトごとに数字が違います。

一次情報だと、先に紹介した産卵巣は25cm程度のところにありました。また、現地の方は50cmぐらいで巣を見つけています。

このため、地中50cmまではアメフクラガエルの活動範囲と考えられ、自然界に合わせるなら50cm以上の土の厚さを準備すべきということになります。

しかし、50cmの高さがある規格品の容器は120cm水槽なので、かなり大きくなってしまいます。幅の狭い水槽を特注するにしても、土交換やカエルの掘り出しを考えると、50cmの深さはあまり現実的ではありません。

経験則になりますが、10〜15cm程度の土の深さで長期飼育はできています。

そこで、土の深さは50cm以上が望ましいが10〜15cmあれば飼育上は問題ない、が本ブログの結論になります。

湿度の調整

土の湿度

土の湿度を『自然界と同じように下は湿って上は乾燥』させようとすると、かなり難しいです。

でも、経験的には超簡単な方法で長期飼育できています。その方法とは、

水で湿らせた洗面用スポンジ(15 x 8 x 2 (高さ) cm3)をケースの片側に寄せて置いておく」です。

推奨のケースを使っており、ケースの置かれた場所の(土の外の)湿度が普通に40〜60%ぐらいであれば、スポンジを週に一回湿らせなおせばいいです。

(スポンジは何がついているかわからないので、使う前に80℃以下のお湯で10分程度洗浄することをお勧めします。また、スポンジの大きさや厚さ次第では給水頻度を変えます)

このやり方だと、まず、土を湿らせすぎることがありません。

ふくら博士

湿らせすぎが良くない理由は「土の交換の頻度」を見てください

土の湿度は、カエルが小さな巣(土の硬さ参照)を作る時にも重要で、乾燥しすぎても湿りすぎでも巣を作るのが難しくなると考えられます。

スポンジ法だと、スポンジから近いところと遠いところで水平方向に湿り気の違いができます。

このため、垂直方向ではありませんが、水平方向にカエルが好む場所を広く確保することができます。

ケースの空気の湿度が30%より乾いていたり70%を超えて湿った環境なら、スポンジの水換え頻度を調整すれば良いです。

具体的には、ケース全体の中で、「スポンジ側の半分がすこし湿っていて、スポンジを置いていない側の土がほぼ乾いている」という状態からこれよりも乾燥している状態がいいです。

もっというと、初めてセッティングするときは、『水を足してから1-2時間後ぐらいにケースのおよそ半分の土が乾いている』ぐらいにスポンジに水を含ませる回数を調整します。(水はゆっくりとしみていくので、しばらく時間がかかります)

最初のセッティング以降、水を足してから1週間後は、水が全体に広がって、乾いている場所と濡れているところがわからなくなりますがそれが普通です。問題ありません。

よほど乾燥していなければ(完全に乾燥すると黒土の色が灰色になる)、土の半分が濡れていなくても基本は週にスポンジ1回の水やりで大丈夫です。

基本不要ですが、どうしても土の乾燥が気になるという方は、毎週1回上記のように土の半分が湿るぐらいになるようにスポンジ給水の頻度を増やしてください。

これ以上は湿度が高すぎです。

ある動画では“ケースの横に水を伝わせて加えて底から1/3が湿る程度にする”と説明さていましたが、これは…

繁殖方法を色々試している時に似たようなことをやりましたが、明らかに土がベシャベシャになりすぎました。この方法は、床材の深さが1mとかあるならいいのかもしれません。でも、深さ15cm程度では土の湿度が高くなりすぎます。

ご注意ください。

土の湿度はとても大事です。でも、週に一度スポンジに水を含ませるだけで、超簡単に管理できます。

飼育ケース(空気)の湿度

土の湿度と違い、ケージ内の空気の湿度は重要ではありません。30-70%程度の一般的な温度であれば全く問題ないです。

普通のご家庭なら特に湿度の調整は必要ありません。

この範囲を外れてくると土の湿り具合(⬆️土の湿度をご参照ください)を見てスポンジ水換えの頻度や土交換の頻度を変えていく必要があります。

梅雨とか夏に70%を超えても問題ないですが、こういう季節は様子を見て給水頻度を減らします。

なお現地の雨季の大気の湿度は、昼の高温乾燥時には15%、夜には100%まで激しく上下していました。

これを再現できるならベストかもしれませんが、人工気象機など高価な機材が必要です。

また、大気の湿度は激しく変わったとしてもカエルが長時間過ごす地中の湿度はそれほど大きく変わりません。

このため飼育ケースの蓋を通気性の良いものにしておき、湿度を部屋のものと同じにしておけばそれだけで問題ないです。

フクラガエルの水分補給の方法【水入れはいりません】

ネット上では、水を入れたタッパーなど「水入れ」を使うことが推奨されていることが多いです。

しかし、アメフクラガエル飼育に水入れは不要です。

水入れ設置派の理由はフクラガエルが水に入って水分を吸収するから、というものです。

でもアメフクラガエルは積極的には水に入りません(泳げないので)。

水入れに入って動かない時は、水を吸収していることもあるかもしれませんが、多くの場合は“たまたま”そこにいるだけと思われます。

というのも、生息地の環境を考えると短い雨季に出てくる時以外はずっと土の中にいますし、その期間は水たまりなんてないわけです。

ではその間は水分をどうしているのでしょう?

フクラガエルに限らず、ほとんどのカエルは(口から)水を飲みません(ネコメガエルやハイイロモリガエルの仲間などは例外的に口から飲みます)。

代わりにお腹の皮膚から水分を吸収します(某動画で解説されていましたが、肛門からは水は飲みませんよ😅)。

そして、アメフクラガエルをはじめとした乾燥地域に住むカエルでは、特に水分を吸収しやすくなっています。

お腹の皮膚が非常に薄く、少し湿った土お腹をつけてじっとしているだけで効率よく水分を吸収できるのです。

(アメフクラのお腹に透けて見えるところがあるのはこのためです)。

つまり、アメフクラガエルは少し湿った土があれば水分を吸収できます。

ふくら博士

生活場所の違うフクラガエルの種類のお腹の皮膚を比べると、乾燥に対するフクラガエルの適応(進化)がよくわかるよ(フクラガエルの生物学

一方で、水入れをいれておくとカエルが出入りするときに土に水を撒き散らします。

この時、水入れの周りの湿度が高くなりすぎて(+尿が含まれているので)カビが生えることを多く経験しています。

さらに、水入れの中でも排泄することが多いようで、そのまま放置しておくと水入れの水で自家中毒を起こす危険があります。

このように水入は飼育環境を悪化させるだけだと痛感し、私は飼育歴のかなり初期から水入れを使うのをやめました。

ここで強調しておきますが、アメクラガエルは思いのほか乾燥を好みます。

彼らがかなり乾燥している『サバナ気候』に住んでいるということをお忘れなく。

余談ですが、アカメという魚を釣るときの格言に「スズキと思うな、バスだと思え!」というものがあります。これは、アカメを釣るには「近い仲間のスズキ釣りをまねるのではなく、ブラックバスを狙うように釣るのが良い」という意味です。

この格言をアメフクラガエルの飼育にあてはめるなら、「湿潤と思うな、乾燥と思え!」ということになります。

『熱帯のカエルだから湿っているほうがいい』という思い込みが、アメフクラガエルの飼育を難しくしている最大の理由だと思います。

実際に湿度が高すぎる土で飼育すると、アメフクラガエルは死にやすいです。

高い湿度がストレスなのと、『土の状態が悪化』しやすく体調を崩す個体が多いのでしょう。

土の交換の頻度

最初に結論。

・3ヶ月に1回土を全部換えましょう。

上述の「土の状態の悪化」ってなんやねん?と言われそうなので少しお話をします。

カエルは成体では尿素という毒性がない物質を排泄します。

でも細菌(ウレアーゼ生産菌)は尿素を分解して毒性のあるアンモニアをつくります。

アメフクラガエルが土の水分にとけたアンモニアを吸収するとどうなるでしょう?

これでお分かりではないでしょうか。

水分が少なければ少ないほど、よけいな細菌の繁殖はおさえられ飼育環境は良くなると思われます。

ただ、どれほど土の環境を維持しようとしてもアンモニアなどの毒素は溜まっていくはずです。

また、フクラガエルの排泄物や餌のコオロギの排泄物やコオロギの死体などで、どうしても土の中には病原菌などを含む菌が繁殖することになります。

このため土はおよそ3ヶ月に一度、少なくとも半年に一度はリセット。全部交換した方がいいです。

3〜6ヶ月というのは、僕がの経験則で土の交換なしでカエルの調子がよかった期間です。

カエルの調子を見て元気がない・餌食いが悪いときは、まず土を疑ってすみやかに交換した方がいいでしょう。

蛇足ですが、土換えせず、土のコンディションを上手に保ってアメフクラガエルをうまく飼育されている方もいらっしゃいます。

また、アンモニアなどを分解するバクテリアが入ったソイルを使っている方もいらっしゃいます。

でも、それらの方法は手間だったりコストがかかったりしますし、そもそも経験を積んだ上手い人だからできることです。

土壌中のマイクロバイオータ(微生物の成り立ち)の微妙なバランスが崩れると飼育環境が一気に崩壊する危険があります。

そんなリスクを取らずに、『安心・確実・楽チン』に飼育するなら『3ヶ月1回の土交換法』をおすすめします。

なお、表面の土は、餌のコオロギの糞などで汚れやすくカビも生えやすいので、できれば週1でスポンジに水を含ませる前に表面の土(厚さ数ミリでいいです)捨てるか交換できればベストです。

アメフクラガエルの飼い方【その3・餌】

餌の種類と大きさ

餌は、活コオロギ

フクラガエルは餌付けがいらないので、とても飼いやすいカエルです。目の前にある動くものは餌として貪欲に食べます。

コオロギを目の前にまいてあげれば、すぐパクパク食べます。

コオロギの種類は、経験則でフタホシコオロギ(=クロコオロギ)を推奨します。脂肪が多いと言われる方もいますが、フタホシのみで普通に長期飼育できています。(ちなみにフクラガエルに限らず飼育下のえさ喰いのいいカエルは例外なくメタボです)

どうしても気になる方はイエコオロギでも全く問題ないと思います。

餌の大きさは、カエルの口の大きさに合わせるのが基本です。

カエルの口の横幅の長さを目安に、それより体長の短いコオロギを与えるといいと思います。(大抵頭から飲み込むので、多少は大きくても問題なく食べます)

具体的には、成熟したオスならSSサイズ(5 mm以下)、メスであればSサイズ5〜8mm程度(10mmは大きいかも)です。(メスは小さいのも食べますが、匹数が半端なく多くなってしまいます)

コオロギが大きすぎるとカエルを攻撃することがあります。その際にカエルが怯えて拒食になったりするので、コオロギは小さめがおすすめです。

数週間週連続で全く食べるそぶりを見せないカエルは、拒食になっていたり、何らかの理由で弱っている可能性を考えましょう。

➡️【調子が悪い時の対応や病気の治療

添加剤について

結論。添加剤はなくても飼えますが、使ったほうが安心できる人は使ったほうがいい』です。

ネットでは両生類や爬虫類の飼育にはビタミンDやカルシウムの添加剤の使用が推奨されていることが多いです。

でも、僕はコオロギだけで10種以上の両生類を長期飼育しているので、経験的にはサプリはなくても飼えることは明らかです。

でも、これはサプリに病気の予防効果がないという理由にはならないし、ひょっとしたらサプリを使ったほうが長生きするのかもしれません。

このため、添加剤については、なくても飼えるけど、使いたい人は使うのがいいということになります。

添加剤について詳しく知りたい方は、

アメフクラガエルにサプリはいる?】をご覧ください。

餌の量

ぶれびキング氏が飼育している8年目のカエルさんたちには、

オスではSSサイズのコオロギを大さじ2杯程度(およそ100匹)、メスではSサイズのコオロギを手で一掴み(およそ80匹)が1週間の餌の量の目安です。

これは特大サイズまで育った子達にあげる量なので、購入したてのカエルには多すぎると思います。

そこでカエルさんをお迎えしたら、最初に1週間で食べ切れる量を調べるとよいです。

方法は、

  1. 少なめのコオロギを飼育ケースに餌を撒く(カエルは掘り出さない)
  2. 翌朝確認して少なくなっていたらコオロギを追加
  3. それも全部食べられていたら最初に与えた量の倍を与えてみる

この1〜3の手順を繰り返して、1週間にカエルが食べ切る最大量を決めます。

その後は、1週間で食べ切る最大の量を、週一であげていきます。

なお、少ない量(たとえば週にコオロギ10匹とか)、月に一度の餌やりでも十分飼育は可能です。

むしろ、餌の量が少ないと代謝が少なくなることで長生きするかもしれません。

でも餌が少ないと繁殖は狙えません。

逆に言うと、繁殖を狙わないのであれば餌の量は少なくても平気です。

あなたの予算や時間の都合で、餌の量を変えて大丈夫です。

餌のあげ方

餌は、カエルが潜っている時に飼育ケースの土の上にコオロギを撒いておく、という方法であげても問題ありません。

でも週一で度掘り起こし、カエルの目の前に餌を撒いて食べるところを観察することお勧めします。

この方法には、

  • コオロギの糞や死体で土を汚しにくい
  • カエルの健康状態を確認できる
  • 多頭飼いの際に餌を食べられない個体をなくせる

という利点があります。

カエルを掘り出すときは、カエルを強く握ってしまったり指で突き刺さないようにやさしく掘りましょう。

できれば薄手のビニールやゴム手袋をして作業しましょう。これだと、爪の隙間に土が入らないという利点もあります。

僕の場合は、掘り出したカエルを小さめのプラケースにカエルを移し、そこで(⬆️の1週間の最大量の)コオロギを与え食べたいだけ食べさせて、食べなくなったらカエルを飼育ケースに戻し、残りのコオロギを土の上に残しておきました。

なお、プラケースに入れるとカエルは排泄をすることが多いです。この場合の尿の量はかなり多くコオロギが尿に流されて死にます。

このためケースに移した後はカエルが排泄するかどうか、しばらく待ってから餌をあげましょう。

排泄をした場合は、ケースをよく拭いて、尿まみれになったカエルを水で洗ってキッチンペーパーで水をふきとった後に、ケースに戻して給をあげます。

カエルを洗う水は、温度が気温と同じであれば水道水でも構いません。

ちなみにカルキ抜きの薬剤使うとよく魚が死ぬので、僕は一切使いません。あ、ハイポは大丈夫です。塩素を抜くなら1日おいた水を使います。僕がカエルを飼っていた土地では、水道水をそのまま使ってもトラブルが起きたことはありません。

なおコオロギを撒くとコオロギの糞で土の表層が汚れます。このため、表面の土(数ミリの厚さで十分)を捨てるか、新しい土と毎週交換した方がいいです。

最後に、とても大事なことですが『掘り出したカエルを構いすぎるとカエルが強いストレス』をうけます。

気持ちはよくわかりますが、触るのは最小限にしたほうがカエルにとってはいいです。

餌の準備【購入と飼育】

フタホシコオロギはお金に余裕があるなら購入するのが簡単です。

昔は養殖・販売しているところが少なく、品切れで購入できないこともありましたが、今は安定供給されています。

ふくらキング氏

通販で買うか、自分で殖やすかはお家の環境と資金力次第ですね

ただ、このブログで推奨している飼い方だとフクラガエル1頭分で週に1000円程度になるかと思います。

このため、時間と家のスペースに余裕がある方ならコオロギの養殖も検討された方がいいと思います。(飼い方はネットの情報「コオロギの飼育は簡単? ペット・餌用共通の飼い方と注意点を解説」などをご覧ください)

なお、毎週SSサイズのコオロギを購入しオスに与え、残ったコウロギに餌(人工飼料と水がいいですが、キャベツなどの野菜が楽だと思います)を与えて1週間飼育し、Sサイズに育ったものをメスに与えると効率がいいです。

上でも書きましたが、餌にお金や労力はかけられなかったり繁殖は狙わないのなら、餌の量を減らしても問題ありません。

この場合、買ったコオロギをキープするのが大変なので、毎回の餌の量を減らすよりも与える回数を減らして(2週に1度や月に1回)、その時にコオロギを全部あげてしまうのが圧倒的に楽です。

ただ、最後に餌の量の重要性を強調しておきます。

今回紹介している飼育法では抱接がみられると書きました。

これは飼育環境がいいことを示していますが、環境を整えるだけでは抱接までいきません。

ほとんどの動物に当てはまりますが、エネルギーが十分に溜まっている状態で初めて繁殖を行います。

フクラガエルも抱接までもっていくには餌を十分に与えていることが必要で、少量の餌を土の上に撒いておくという飼い方では抱接は見られませんでした。

このためフクラガエルの繁殖を狙っている方は、十分に餌を与えることを気に留めておいてください。

もう一つ。西沢雅氏は『餌は月1回ぐらいの餌やりで十分で、それ以上与えると餌の食べ過ぎで内臓障害を起こす可能性がある』『数日に一度掘り出して与えるのは寿命を縮める以外のなにものでもない』としています[REPFAN vol. 19, 笠倉出版 (2023)p.106]。

たしかに僕も面倒になったり忘れてりして、2週に1回の餌やりだったり、月に一回だけ餌やりをしていたことがあります。確かに全く問題なく飼育できていました。

でも、たくさん餌をやることで内臓障害を起こすかどうかは分かりません。

また『掘りおこして餌を与えることが寿命を縮める行為』については、確かに掘り起こすことは間違いなくストレスだと思います。

でも寿命を縮めるということは僕たちの飼育実績から事実ではないと考えます。

構いすぎる場合は別ですよ。。

アメフクラガエルの飼い方【その4・温度と温度管理】

飼育温度

結論をいうとアメフクラガエルの飼育温度は土の温度で20-25℃

「特に20℃がお勧めです。

飼育温度は、僕が調べた範囲ではネット上にある解説はほぼ全部適切ではないと思いました。(本だと西沢雅氏の説明 [REPFAN vol. 19, 笠倉出版 (2023) p.107] は完全に一致していました)

実は、アメフクラガエルは短時間であれば0〜35℃までの温度に耐えます。(真冬にエアコンが壊れて1日ほど0℃近くに置かれたことがありましたが無事でした。そもそも生息地は稀に雪が降るようなところですし…)

極論すると、寒冷地以外地域で室内であれば日本の多くの地域で暖房・冷房なしにギリギリ通年飼育可能かもしれません。

でも、冷たすぎる温度や高すぎる温度では当然ながら体調を崩します。とくに高温には弱く30℃を超えてくると調子が落ちます。30℃以上が数日続くと死ぬこともありえます。(アメフクラではないフクラガエル種ですが3日で全滅したこともあります)

このため、高温には特に注意してください

さて、なぜ20-25℃なのか?というと、実際に生息地(南アフリカ・リンポポ州・ポロクワネ)の繁殖期における地中のを測ってきましたが、その実測値が20-25℃の間だったから。

➡️(準備中)アメフクラガエル生息地の気候【実測値含む】

その中で20℃なのはなぜか?というと、実際に長期飼育できている温度だからです。

一応論理的っぽい根拠としては、20-25℃という実測値は気温が高い雨季(現地の夏)のものです。

それ以外の季節はより低温になると予想されます。このため、実測値の中でも最も低い温度を採用しています。

さらに理由を加えるなら、低温の方が代謝が低く保たれることです。

一般的に生物は代謝が低いほど長生きすると考えられています(Rate of Living Theory)。

このためアメフクラガエルが元気な温度の中で、より低温にするのが好ましいと考えて20℃で飼育してきました。

もう一つの理由は、生息地の年平均気温が17℃程度だからです。17℃だとすこし温度調整が難しいので、20℃にしています。

生息地・ポロクワネの月平均(最高ー最低)気温は以下のリンクをご覧ください。

おそらく皆さんの予想とだいぶ違っていたと思います。

この温度条件を格言ぽくいうと「熱帯と思うな、温帯と思え!」ということになります。

なお、飼育温度を低めにしているのにはもう一つ理由がありますが、これはここでは言わないでおきます。(いずれ記事を書こうと思います)

保温の方法

おすすめの飼育温度である20-25℃を保つためには、夏は冷房、冬は暖房する必要があります。4つの保温法を説明します。

保温方法1:エアコン

一番楽な保温方法は、エアコンをつけっぱなしです。楽な上に確実です。電気代を気にしなければ間違いなくベストです。

保温方法2:爬虫類用インキュベーター

お金にものを言わせるのであれば、爬虫類用のインキュベーターを使うのもとてもいいと思います。ただ、おすすめの飼育ケースが入るインキュベーターは10万円以上します。

安いのは3万円ぐらいからありますが、小さいケースしか入らないので、フクラさんには少しきゅうくつな思いをさせてしまいます。

どちらにしても、インキュベーターを使えば温度問題は解決。エアコンと同じく何も考えなくていいです。

保温方法3:ミニ温室(自作)

そんな高いもの買えない!エアコンも電気代がかかりすぎる!とおっしゃる声が聞こえてくるような気がします。僕もそう思います。

そんなあなたは、ミニ温室を使うのが良いと思われます。

冬(11-3月)は爬虫類用のヒーター(+サーモスタット)などで保温するのがいいでしょう。

ミニ温室は、市販されているものを購入するか、メタルラックに断熱材(スタイロフォームなど)を貼ればすぐにできます。(ネットに動画がたくさんあるのでご覧いただければいいと思います)

温室を使うなら、冬はサーモスタットと爬虫類用のパネルヒーター(ケージに直接貼らずに温室の下部に置いて温める)や、上部設置型ヒーター(飼育ケースの上でななく温室上部に設置)を使うといいでしょう。

この方法の時には、温室の空気をかき混ぜるように小さなファンをつけるとより良いです。

気をつけて欲しいのは、サーモスタットのメモリはあまり正確ではないことです。飼育を始まる前に、適切な温度になるようにサーモスタットの設定を調整しておきましょう。(例えば、『目盛を20℃にセットしたら気温が23℃になったので、目盛を18℃にしたら20℃になった』というような)

夏は、エアコンがほぼ必須です。家の中に30℃を超えない場所があるなら、エアコンなしでも大丈夫ですが…。

エアコンでこのブログで推奨の 20℃ を保つのは難しいと思いますので『なるべく25℃に近づける。最悪でも30℃は超えない』を目処にすればいいと思います。

保温方法4:パネルヒーター【推奨はしませんが…】

温室を使わない場合、ネット上では爬虫類用のパネルヒーターをケースに貼って保温することが推奨されています。

しかし土は水や空気のように対流しないため、パネルヒーターで土を均一に温めることはできません。

このため、パネルヒーターではパネルを付けた側が過剰に熱せられてしまったり、フクラガエルに適した温度に温められた場所がとても少なくなる可能性が高いです。

こういった理由でパネルヒーターによる保温はお勧めしません。

どうしても方法1-3はできない!パネルヒーターを使う!という場合は、

  • サーモスタットと併用する
  • ケースの広い面にパネルを貼る
  • サーモスタットの温度を25℃にする
  • サーモスタットの温度センサーをパネル貼った近くの土中に設置する

このようにすれば、大きな事故は避けられると思います

夏はエアコン必須です。

ここででてきた飼育用品は別の記事で具体的な商品を紹介します。

(準備中)➡️【おすすめ飼育用品と維持コスト】

アメフクラガエルの飼い方【その5・照明】

アメフクラガエルの飼育に特別な照明はいりません。間接光が入る部屋の中にケースがあれば問題ないです。

ただ、暗い時に土から出てきて餌を食べることが多いので、できれば明暗のメリハリは欲しいです。

僕はタイマーを使って12時間周期で明暗をつけてました。

普通の蛍光灯やLEDライトを使っていました。爬虫類のような紫外線照明などはいりません。

なお、カエルは視覚に頼って捕食をするので完全な遮光はお勧めできません。

発泡スチロールケースのような真っ暗になるところで長期間は飼育しないほうがいいでしょう。

窓から夜の明かりが見えるぐらいがちょうどいい暗さだと思います。

アメフクラガエルの飼い方【その6・日常の世話】

今までに出てきた、日々のメンテナンス方法をまとめます。

  • 週に一回フクラガエルを掘り出し、餌を与える
  • その際にスポンジを洗って湿らせて土の上に置く
  • 余裕があれば、表面の土を交換する
  • 3〜6ヶ月に一度土を全部交換する

このようにほぼ週1の世話なので簡単です。

この方法のポイントとして、飼育のモチベーションが保てることがあります。

カエルを見ないと、どうしても「土を飼っている」という気分になります。すると、飼育のモチベーションがさがって世話がおろそかになりがちです。

でも毎週かわいいカエルが元気に餌を食べている姿を見るとモチベが保てます。

ただ掘り出してカエルを必要以上にいじるのはやめましょう

可愛いカエルとスキンシップを取りたいという気持ちはよくわかります。でも、カエルには単にストレスです。

幻想をぶち壊させていただくと、カエルは人になつきません

なついたように見えているのは、単に慣れて怖くなくなったか、餌をもらえる状況を学習しただけです。

アメフクラガエルの飼い方【その7・病気などの対応】

アメフクラガエルはあまり病気になりません(正確には、ならないように見えます)。

でも餌を食べないほど調子が悪くなったら助からないことが多いです。

調子が悪い時や病気への対応は

➡️【弱った時の対応・病気の治療

をご覧ください。

調子を落とすと、元の状態に戻すのはすごく難しいです。

なるべく調子を落とさないように適切に飼ってあげることが重要です。

アメフクラガエルの寿命

これまでにおよそ8年の飼育に成功しており、(ふくらキング氏が)継続中であることはすでにご紹介しました。

これらの個体は、日本に輸入された時点でアダルトでしたので、孵化後1〜2年は経っていた子達です。この点を考慮すると、アメフクラガエルは飼育下では10年以上の寿命があるのは確実でしょう。

ネットでは昨年の時点で9年(今年も生きていれば10年)飼育されているという方(いきものインフォさん)もいらっしゃるので、やはり10年以上は間違いなさそうです。

これ以上寿命についてはあまり書くこともないのですが、他の記事【アメフクラガエルの生物学】でもう少し書きました(ほとんど愚痴です)。

アメフクラガエルの飼育下繁殖について

アメフクラガエルの繁殖例

アメフクラガエルの繁殖例はあります。

南アフリカの Leslie Minter 先生(リンポポ大学・名誉教授)が、ご自身の庭の花壇をカエルを逃げ出せないように改造し、そこにアメフクラガエルを放し飼いにして繁殖させた例です。

この際のフクラガエルの産卵巣とオタマジャクシの様子がBBCの動画で写っています。

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この記事を書いた人

フクラガエルの正しい知識を広めるために活動している者です。アメフクラガエルの飼育法決定版を書きました。ぜひ見てください。フクラガエルの生態や、野生のフクラガエルに会いに行くアフリカ旅行の記事も書きます。

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