アメフクラガエルを買ってみたいけど値段がわからない。高いのかな?
アメフクラガエルなかなか売ってない。いつどこで買えばいいの?
フクラガエルはちょっと高いです。購入時期には注意しましょう
こんにちは。ふくら博士(自称)です。
僕はフクラガエルが好きすぎて、2007年から15年近くアメフクラガエルの飼育をしていました。(今は相方のふくらキング氏にお任せしています)
購入したフクラガエルは100頭以上です。
こんな僕がフクラガエルのお値段と購入方法について解説します。
結論
最初に結論を言います。
- 1頭・15,000〜20,000円ぐらいです
- 11月中旬から12月に探しましょう
- 店舗購入でも通販でもいいです
- 見つけたらすぐに買いましょう
です。
それでは細かく説明します。
アメフクラガエルの輸入と購入できる時期
フクラガエルは、11月から12月ごろに輸入されます。
この季節にずっと輸入されるわけではなく、輸入を扱う数少ない問屋さんに年に1〜数回のロットのみの輸入です。
その問屋さんからショップに卸されて、お客さんに販売されます。
アメフクラガエルは人気なのでどんどん売れます。
ショップに残っている個体もだんだん死んでいき(もちろんうまく飼うショップさんもありますが)、流通する個体が減っていきます。
このため1月頃になると探すのが大変になり、夏頃にはオークションにたまたま出品された個体以外はほぼ購入できないという状態になります。(爬虫類フェスタなどでも購入できるかもしれません)
このため、どうしても飼ってみたいのであれば買い時を逃さないことが重要です。
入荷時期は生息地の雨季
なぜ11-12月にしか輸入されないのでしょう?
それは、この季節が、アメフクラガエルの分布地の雨季の始めにあたるからです。
アメフクラガエルの分布地は、アフリカ南部のステップ気候帯にあたります。この気候区はすごく乾燥した期間(乾季)と雨季が明確に分かれています。
この雨季の始まりが11月にあたります。
みなさんご存知のように、アメフクラガエルは乾燥に適応したカエルで、乾季には地中でほぼ動かずにいます。
そして雨季のはじめの大雨のあとに地上に大量に現れます。
このためフクラガエルの英語名はRain frogです
現地の情報だと、雨が降り始める前という説と、シーズン2番目の雨という説の両方を聞きました。
どちらにしても雨季の最初です。
そして繁殖行動をするため、オスが活発に鳴きます。
この時期は多くの個体が地上にいるうえに、鳴いているカエルはとても捕まえやすいので簡単に採取できるわけです。
メスは鳴かないのでオスに比べて採取が難しいですが、ハイシーズンでなくても(写真は12月中旬)2時間弱でこれぐらいは見つけられます(⬇️)。
逆に雨季の中期以降になると、繁殖活動を終えて地中生活に戻り雨が降ると時々捕食に出てくるという感じになるようで、こうなると採取は難しくなります。
雨季が終わると乾燥シーズンになるのでほぼ地表には出てこなくなり、この時期の採取は不可能です。(トラクターで土をひっくり返して探したことを聞きましたが…)
なお11月〜12月以外に3〜4月の入荷もあるようですがこれは例外的で、現状では3〜4月の輸入はあまり期待しない方がいいでしょう。
この時期に入荷がある理由は、(まだ雨季なので)たまたま多く出現したか、普段の採取地とは季節が少しずれている場所(国が違うレベル)で採取されたかのどちらかです。
これは実際にカエルを輸入されている問屋さんやショップに聞きけば教えてもらえるかもしれません 。
例えば輸出元の業者(シッパー)が違うと、いつもとは違う場所や国から輸入されたと予想できます。
ちなみに国が違う場合はアメフクラガエルではない可能性もあります
➡️(準備中)アメフクラガエルは本当にアメフクラガエル?【分布と基準産地と標本の問題】
アメフクラガエルの値段と購入方法
アメフクラガエルの値段
アメフクラガエルは1頭15,000〜20,000円ぐらいです。
エキゾチックアニマルのカエルとしてはちょっと高めの部類かな?と思いますが、フクラガエルを飼ってみようという人には納得のお値段といったところでしょうか。
繁殖を目指して一度にたくさん買う!という場合は、割引をしてくれるお店があるかもしれません。10頭以上購入するような時はお店に聞いてみるといいでしょう。(そんなにキープしている小売店は少ないと思いますが…)
僕はだいぶ前からフクラガエルを購入していませんが(ずっと生きてたし飼育を相方に任せてしまったので)、毎年値段はなんとなくみていました。やっぱりだんだんと値上がりしていますね。
僕が購入していた時(8年以前)の一番安い価格は1頭8000円でした。これはオスの値段で、メスは10000円でした。
いまでもオスメスで値段の差をつけて売っているお店があるかはわかりませんが、どっちにしても当時の価格は今の半分ぐらいということになります。
なお、ネットを見ると「白色個体」などプレミアをつけている例がありますが、普通の色彩バリエーションの範囲のもので遺伝的するような特徴ではないと思われます。
野生でも普通の茶色っぽいのの他に、赤みの強いものや、黄色っぽい、白っぽいなど、さまざまな個体がみられます。(上の写真を参照してください。ちなみにあるフクラガエルは同じ種類とは思えないとんでもない色彩バリエーションを持っています)
その子が気に入ったのなら別ですが、特に高い値段を出して買うようなものではないと思います。
あ、『あいごんカエル情報』さんの動画にでてくる『白いアメフクラガエル』は砂がついて白くなっているとのことですが、自然にこんな色だったなら、それは遺伝性の色彩突然変異と思われます。(この場合チロシナーゼ遺伝子の突然変異でメラニン色素を作る働きが非常に弱いか、チロシナーゼ関連遺伝子の異常あたりが原因ですね)
また「ペア確実!」と言って売られていることもあります。でも、フクラガエルはシクリッド魚類や鳥類のように相性のいい相手とペアリングするわけではありません(繁殖生態みてから行き当たりばったりで抱接する思われます)。
このため、ショップさんが言っている「ペア確実」とはオス・メスがほぼ確実というぐらいの意味しかなく(しかも100%ではない)、これも高いお金を出す意味のない無意味なブランディングです。気をつけましょう。
また、カエルのお値段に関しては「その幻想をぶっ壊す」お話をいずれ書きます。
➡️(準備中)【安い?高い?】かえるの値段
フクラガエルの購入場所と方法
結論からいうと、アメフクラガエルの購入の最大のコツは「とにかく早く買いましょう」です。理由は後ほど説明します。
アメフクラガエルは、一昔前は限られたマニアックなショップのみに入荷していた印象があります。今ではホームセンターのショップでも売られていることがあり、本当に時代は変わったなと思います。
さて購入方法ですが、大きく分けて店舗で買うか通信販売で買うかの2通りになります。
店舗で買うことのメリットは
- 状態の良い個体を選べる
- オスメスを選べる(かもしれない)
デメリットは
- 入荷の時期がわかりにくい
- お店によっては間違った飼い方を教えられる
です。
通販のメリットは
- 近くにお店がなくても買える
- ネットを見ていれば入荷時期がわかり、すぐ購入できる
デメリットは
- コンディションのいい個体や、オスメスを自分で選べない
です。
個人的には、店舗購入でも通販でもどちらでもいいと考えています。
では細かく説明します。
店舗購入
まず店舗購入の具体的な方法です。
毎年アメフクラガエルを仕入れているペットショップをご存知の場合は、入荷したら連絡してくれるようにお願いしておくといいでしょう。
ただし、かなりの常連かお店の人と仲がいい場合以外はおすすめできません。
というのも、爬虫両生類関係のショップは常連さん以外のことはほぼ忘れます。
なかなか連絡こないなと思って、予約した店に、「入荷しましたか?」と問い合わせすると「もう売れちゃった〜」と答えられるのがあるあるです。
このため11月に入ったら入荷実績のあるお店に週1ぐらいで通って、入荷状況を尋ねるといいでしょう。(もっと前から通って常連になって、ふくら欲しい〜とアピールしておけばより確実です)
運良く入荷したらフクラガエルを見せてもらいましょう。肌にハリがあって丸々としている個体がいいです。
可能なら餌をあげてもらって様子を見ましょう。
フクラガエルは餌付けの必要が全くなく、すぐに餌を食べるカエルです。このため餌を食べない個体はなんらかのトラブルを持っている可能性があります。
反対に、すぐに餌を食べる個体は少なくとも致命的な問題はないと判断できます(パワーフクラガエルを除きます)。
➡️ 参考:その他のフクラガエルの飼い方
オス・メスが欲しい場合、メスを選びたいならなるべく大きい個体を選びましょう。カエルを手に取っていいお店なら、お腹を見ると皮膚の透けている部分から、黄色い卵(5mmぐらい)が見えることがあります。この場合は確実にメスです。
オスは確定させるのが難しいですが、なるべく小さめの個体を選ぶと高確率でオスです。なお、プミリオの西沢雅氏はオスは3cm以上にならないと書かれています(REPFAN vol.19, 笠倉出版 103ページ)。
➡️ 参考:アメフクラガエルの雌雄判別【オス・メスの違いは?】
ちなみに、購入するときに飼い方を教えて下さいというとほぼ教えてくれます。むしろ、黙っていても勝手に教えてくれることもあるでしょう。
正しい飼育方法を教えてくれるならいいのですが、残念ながら現状で正しいアメフクラガエルの飼い方を教えてくれるショップは非常に少ないと思われます。
少なくとも、ショップがネットにあげている飼い方は「間違っているところが多い、少なくともベストではない」ことがほとんどです。
なかには「おいおい、そりゃすぐ死ぬわ」とツッコミを入れたくなるものもあります。このため基本的にはショップの店員さんの説明は聞き流しておくことをお勧めします。
ちなみにショップさんの説明は、飼育温度・床材・土の湿度・飼育密度などのいずれかの点が不適切です。(全部間違ってる説明もありました…😭)
このような現状から、「正しいフクラガエルの飼い方を広く知ってもらう」ことが本ブログの目的の一つになっています。
なお個人の方の動画には、これならいけそう!という飼い方が2例ありました。
このブログで解説している飼い方ほどじゃないですけど?(ドヤァ!www)
最適解ともいえる方法は以下の記事をご覧ください。
➡️【アメフクラガエルの飼育方法】初心者でも簡単な飼い方教えます
通販
近くに爬虫両生類専門店やアメフクラガエルを売っているお店がない方や、店舗購入にこだわらない方は、通販で買いましょう。
まず探し方ですが、11月中旬になったら週に2〜3回程度、「アメフクラガエル」とか「アメフクラガエル 販売」とか「アメフクラガエル 価格」でググります。
するとある日、急にアメフクラがエルが多くのお店で販売され始めます。(輸入されショップに卸された時点がここにあたります)
お店ごとに値段や送料を比べて購入を検討しましょう。
特に重要なのは運送にかかる時間です。発送翌日の受け取りができるお店を選びましょう。
梱包方法はお店にお任せになりますが、アメフクラガエルは低温には強いので短時間の寒さはほとんど問題になりません。11月〜12月上旬の輸送なら寒冷地を除き保温対策不要です。
(*ちなみに、冬の発送の際にカイロをたくさん入れるショップがありますがこれはちょっと危険です。密封後すぐには温まりすぎたり、その後は窒息の危険があります。カイロは酸素を吸収するため密閉容器では使わないほうがいいし、そもそも長時間連続では温まらないです)
しかし、輸送時には振動などのストレスがかかりますので、とにかく輸送時間はとにかく短いことが一番です。
通販の場合、個体の良し悪しは選べません。
でもアメフクラガエルは割とストレス耐性の強いカエルで、短期間なら悪い環境でも耐えます。(もちろん数週間のレベルで悪い環境に置かれると問題です。特に高温・高湿度と過密飼育)
また、アメフクラガエルはほとんど輸入直後の個体なので、あまり調子の悪い個体はいない印象です。
このため、輸入直後に販売開始後すぐであれば、店舗と通販どちらで購入しても問題はないと考えています。
実際に僕はほとんどのアメフクラガエルを通販で買いました。
そこで問題が起きたことはなく、死着や到着後にすぐに亡くなったりすることはもちろんなかったし、明らかにコンディションの悪い個体が送られてきたこともありませんでした。
(*先方のショップの良心の問題なのでハズレを引く可能性は否定できません)
なお購入の際には、なるべくふっくらしていてしっかり餌を食べている個体をリクエストしましょう。
通販ではオスメスを選ぶのも難しいですが、店舗でも確実にオスメスを選ぶことはできないので、これは通販の大きなデメリットにはなりません。
先方に上で書いたような「大きくてなるべく卵を持っている個体」と「なるべく小さめの個体」と指定することで、高確率で雄雌をゲットできると思われます。
なぜ速やかな購入をすすめるのか?
最後にこのブログでは「なぜ速やかに購入することをすすめているか」を説明します。理由は簡単。
「ショップや通販元でどのように飼育されているかがわからないから」です。
アメフクラガエルはかなり強いカエルなので、急に死ぬことはありません。しかし、悪い環境で飼育されているとどうしても調子を落とします。しかも調子を落とすと回復が難しいことが多いです。
そして、残念なことに世の中に広まっているアメフクラガエルの飼い方には首を傾げることが多いです。
本当に「そりゃあかんやろ」という飼い方をネットにあげていらっしゃるお店が多いので、ネットと関係ないほとんどのお店もどこかしら間違った知識に基づいてカエルをキープされていると思われます。
ただ幸いなことに11-12月に販売されているアメフクラガエルは輸入された直後なので、すぐに購入すれば変な飼い方をされていない状態でお迎えできます。
このため、本気でアメフクラガエルを飼いたいなら、なるべく輸入直後の健康な個体を速やかに購入することをおすすめしているのです。
ショップを選ぶ基準【店舗・通販共通】
アメフクラガエル購入に際しては、おすすめのお店より、変な飼い方を推奨しているお店を避けることが重要です。
ネットを見れば、やばい飼い方をしているお店はすぐわかると思います。
いずれにしても「生死に関わる間違った情報をいかにも正しいかのように発信している」ショップからの購入は避けるべきでしょう。
なお、よっぽどのことがなければ輸入直後のアメフクラガエルのコンディションに店舗間の差はないと思います。このため、特におすすめというお店はありません。
強いていうなら、小売店だけど直接アメフクラがえるの輸入ルートを持っているお店(最短でWC個体が手に入るため)と、昔から爬虫類ではなく両生類をメインにしているお店がおすすめになるかと思います。
興味があれば探してみてください。
とにかくショップでキープされる時間を極力短くし、輸入後になるべく早くベストな方法で飼いはじめることが大事です。
まとめ
この記事では、アメフクラガエルの値段と購入方法について解説しました。
とくに、「購入可能な時期」「店舗購入と通販のメリット・デメリット」「輸入直後の個体を早めにお迎えするべき」などのポイントをお話ししました。
ここまで読んでくださったあなたは、迷わずに元気なアメフクラガエルをお迎えできるようになっていることでしょう。
最後に。お迎えの前に飼育環境を整えておくことはとても重要です。
確かに販売開始後になるべく早く買うことは大事です。しかし、飼育環境が整っていなければ全く意味がありません。
くれぐれも衝動買いはせずに、飼育用品と適切な環境(ハードルはかなり低いです)を準備してから購入してあげてください。
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